中期経営計画

経営ビジョン

タカミヤプラットフォームとDXで新たな価値を創造し、業界初の足場プラットフォーム企業へ

利益目標

2027年3月期 営業利益 61億円(3ヵ年成長率 +79.2%)

2021 中期経営計画の振り返り

① 「Iqシステム」を中心としたハードとソフトを融合したサービスの開発

「OPERA(オペラ)」を始め「OPE-MANE(オペマネ)」や「Iq-Bid(アイキュービッド)」などのサービスを開発し、 タカミヤプラットフォームで展開。プラットフォーム利用を促進し、ストック型の収益構造への転換が進行。

② 維持補修・再インフラ向け製品の強化

 パネル式吊り棚足場「スパイダーパネル」、システム吊り棚足場「VMAX」、移動昇降式足場「リフトクライマー」、 システム足場「YTロックシステム」などの多様な維持修繕工事に対応可能な製品を拡充。

③ 仮設部門以外の事業育成

アグリ事業の育成に注力。製品を利用した実証栽培や収穫物の販売、M&Aによる事業拡大などにより、ハウス製品の販売だけでなく、 栽培や収穫物の運送、販売ノウハウを併せて提供可能に。

④ 海外事業基盤の再整備

 新型コロナウイルス感染症の影響を受ける中、経営管理体制の整備を推進するだけでなく、生産設備の増強や事業エリアを拡大。

基本方針

プラットフォームビジネスの確立・定着による収益基盤の確立   プラットフォームビジネスは、利用者の囲い込みとリカーリングによって収益が成り立ちます。利用者のインサイトを分析し、 魅力的なサービスへ磨き上げることで累積顧客を増加定着させ、リカーリングによる安定収益の確保を目指します。
DXと人的資本投資による成長基盤の確立  DXへ積極的に投資し、プラットフォームユーザーの利便性と当社グループの生産性の双方を向上させます。 当社グループの成長基盤を支える人財に対する人的資本投資に注力し、プラットフォームの付加価値向上と盤石な成長基盤の構築を目指します。
海外事業における収益向上  海外事業子会社は、経営基盤が整備され、収益回収と事業拡大フェーズに移行します。 海外子会社があるフィリピン、ベトナム、韓国の他、グローバルな需要に対応できる体制を整え収益の向上を目指します。       
資本コストと株価を意識した経営の浸透 事業の成長投資が先行するため、有利子負債の増加が見込まれます。有利子負債に限らず資本の効率運用を当社グループに浸透させることで、 投下資本利益率の水準を高め、株価上昇、株主・投資家にとって魅力的な企業を目指します。

「2021 中期経営計画」をもって基盤整備が完了した「タカミヤプラットフォーム」の普及拡大を推進

重点施策

① OPE-MANE利用者の拡大

プラットフォームのメインサービスである「OPE-MANE」は、プラットフォームの基礎となる顧客基盤を確保する重要な役割を担っています。この利用者を中心に、その他のサービス利用が促進されるため、土台となるOPE-MANE利用者の獲得は重要な課題として認識し、 利用者拡大を推進いたします。

② 顧客サービスの基幹となる管理物流機能の整備・拡充

OPE-MANE利用者の利便性を担保するうえで、預り資産の管理運用はサービスの中核を担っています。時間経過と共に増加する預り資産、不足機材を補う賃貸資産の保有増に対応するため、資産を効率よく稼働させる整備体制、利便性を高める好立地へのBase(機材管理物流拠点)の開設はプラットフォームの魅力を高めるうえで重要であると認識しております。

③ 顧客の信頼獲得のための安全・安心の可視化

プラットフォームで利用者から預かる資産(仮設機材)の減価減耗は、顧客の損失になると同時に、当社グループへの信頼の失墜につながります。ゆえに預り資産の管理を透明化し、所有者が常に状態を把握できるよう可視化に努めることは、プラットフォームでの顧客資産の保全並びに信頼獲得に寄与いたします。また、ここでの取り組みが当社グループの生産性向上に繋がります。

④ 適正価格による付加価値サービスの提供

従来仮設機材業界において、安全性や品質について多くを求めず、兎角、サービスの無償提供や価格競争に陥りがちでした。当社グループは、足場の階高を高めることで安全、効率的に作業できる作業用足場を提供し、また、仮設工業会認定以上の品質基準をもって機材の提供を行っています。また、一部義務化されている3D図面の自動生成など高付加価値サービスを提供することで、顧客が納得のいくサービスを提供し、その対価を適正価格にて享受することが業界の質的発展に寄与するものと認識しております。適正価格での提供は、顧客満足度をさらに高めるサービス開発に寄与するものとして、顧客の理解を得ながら継続して取り組んでまいります。

⑤ 海外拠点(フィリピン、韓国、ベトナム)の収益向上と、その他需要国への対応

国内建設市場は、労働者不足などの影響で建設会社が選別受注し、工事量が平準化されつつあります。当社グループは、この状況下でプラットフォームにより安定収益を得るとの方針のもと事業を進めております。一方、海外において収益拡大を計ることも進めており、諸外国では、不安定な社会情勢や大規模災害や新興国での開発など、当社グループとしては手つかずの市場があり、それら需要を収益化するための体制の整備が必要と認識しております。

⑥ アグリ事業の抜本的な変革による収益基盤の構築

 

仮設以外の事業部門の育成として、農業分野への進出をいたしました。新型コロナウイルス拡大の影響等で就労者不足となった農業は、厳しい環境に置かれています。一方で、食糧需給率を高めようとの政府の政策やアグリビジネスベンチャーの台頭により、生産性の高い高付加価値農業が広がっています。当社グループは、これらベンチャー企業等との連携によって事業拡大を目指し、埼玉県羽生市にTAKAMIYA AGURIBUSINESS PARK(以下「TAP」という。)を開設いたしました。多くの企業を招き、TAPにて先端農業の取り組みを発信することで、当社ブランド製品や参画企業の製品の周知拡販を目指します。

⑦ 付加価値向上のための人的資本、DXへの積極投資

 

当社グループでは、DXによりプラットフォームの高付加価値化に努めています。この高付加価値を生み出すDX・IT人材対しての投資を積極的に行います。初任給の見直し、フレックスタイム制の導入やみなし残業時間の段階的な見直し、教育研修への積極的な投資を実施することで、従業員とのエンゲージメントを高めます。加えて、DX投資により業務改革や顧客サービスの付加価値向上を目指してまいります。

⑧ WACCを上回るROICを実現するためのKPI導入

 

当社グループの過年度におけるROICは、WACCを下回っております。資本効率の改善、株主・投資家への期待に応えるため、ROIC改善は重要課題であると認識しております。 ROIC改善のため、当社グループ各社、各部門において、営業利益率と投下資本回転率を向上させる施策を検討し、各施策にKPIを設定してROIC経営の浸透と数値改善を目指します。


投資方針・実績

以下について積極的に投資する
製品付加価値を高めるサービス開発(設備・システム等)投資
(ハードとソフトを融合した新たなサービス開発)
  • Takamiya Lab.
  • Web 受注
  • 3次元測量、BIM
持続的成長を支える人材の開発・育成投資
  • 働き方改革
  • オフィス改革
  • 人事制度改革
デジタル化による省力化・少人化へのシステム開発投資
  • ロボット活用
  • FA化
維持補修など拡大市場向け製品・商品(賃貸資産)投資
(維持補修・再インフラ向け製品の強化)
  • 製品開発
  • 海外製品の採用

財務方針・株主還元方針

財務方針
(主要指標)
  • 営業利益率 10.0%以上
  • ROE (自己資本利益率)10.0% 以上
  • ROIC(投下資本利益率)4.3% 以上
  • 累計 OPE-MANEアカウント数 500 社 以上
  • 3ヵ年 OPE-MANE契約受注高 140 億円 以上
株主還元方針
  • 事業成長による企業価値の向上
  • 現状の配当水準を維持しつつ、収益に応じた配当還元を行う

ポートフォリオ転換

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